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『恐妻家クエスト ゴブリン討伐(2)』


□ ゴブリン討伐(2)

「立て札の仕事を受けたいんですけど。」
「では、ココにサインをお願いします。」
兵士に出された台帳に、自分の署名を記入する。

仕事の受注登録はいたって簡単だ。傭兵監督所の屯所に行って、やりたい仕事の台帳に自分の署名を入れるだけだ。
署名が書けない傭兵は、拇印を押したりする。これで依頼主に国から連絡が行く。以上で登録は完了する。
国によってはイロイロと受注登録の方法が異なり、身分証明書を作ったりとめんどくさい国もあるが、基本的には一緒だ。

仕事は依頼主から傭兵監督署に「完了しました」と連絡があって完了となる。報酬は監督署を通して傭兵に渡される。
このときに、傭兵に対して不備があった場合には申し立てを行う。その不備の内容によっては、報酬が没収されることもある。
一番多い不備内容が仕事未完遂だ。
例えばゴブリン討伐を依頼したが、傭兵から依頼主に「完了しました」と来た翌日、ひどいときには数時間後に、
ゴブリンが登場する、というようなケースだ。
よって、依頼主からの完了報告は大体3−5日後、報酬の受け取りはその後になる。

「これは未確認の情報ですが、」兵士が言った。
「ゴブリンの群れの中に、ゴブリンの希少種族、ゴブリンロードを見かけた村人がいるそうです。」
「まさか?こんな人が居るところに?」
ゴブリンロードとは、魔力を持ったゴブリンのことで、通常のゴブリンとは違い知能が非常に高く、
人の言葉を理解したり、中にはしゃべったりするものもいるそうだ。
暗黒系の魔法を得意とする、ちょっとやっかいなモンスターだ。

「噂では帝国が放ったモンスターとも言われています。十分に気をつけてください。」

城に入ってから5分も経っていないだろう。ヘレナはまだ立て札の前にいた。
「結局うけちゃったの?」

あたりまえだ。おまえも行くと言っただろう。(;´Д`)

「ああ、登録してきたよ。それでね、兵士に言われたんだけど、ゴブリンロードがい・・・」
「いないよ。立て札にゴブリンってかいてあるじゃん。」
「ああ、だからね、立て札には書いてないんだけど、ゴブリンロードが・・・」
「いないって。書いてないんだから。」ヘレナは強気だ。いつものことだが。_| ̄|○
「だから、居るかもしれないって噂が立ってるから気をつ・・・」
「いないって。噂でしょ?いないわよ。ほら、登録したんならとっとと行動するっ」

・・・( ´ー`)フゥー・・・オレが気をつけていればいいか。

エルド村にはヘルティア城下町から馬車で20分ぐらいの距離だ。
ヘルティア国では物価はさほど高くないので、大体100Goldも払えば馬車に乗れるだろう。
今がお昼ちょっと過ぎぐらいだから、夕方にエルド村に入って今晩はエルド村の宿に一泊し、翌日討伐に行くスケジュールで大丈夫だろう。
そう、ヘレナに説明したところ「 馬車なんて乗らなくていい。」なんてことを言い出した。

「馬車にお金を払う余裕はありません。歩けばいいじゃない、運動にもなるし。」
私は一応剣士なので、重装備ではないがそれなりの鎧と言うものを身にまとい、剣を腰に下げて、
尚且つ、必要最小限ではあるが二人分の荷物を背負っている。
一方ヘレナは、薄手の服に、白のローブ、サンダル、あとはアクセサリだけだ。

アクセサリといっても、別に魔力を秘めているとかそんなんじゃなくて、ただのオシャレアイテムだ。
ローブを止める紐、ブレスレット、アンクレット、ピアス、腰に巻く飾り。すべてブランド品なんだそうだ。
それを売れば金になるよ?とは言えず、しぶしぶ歩いて行くことを了承した。
馬車で20分だから、歩いてせいぜい1時間ぐらいの距離だ。
ダンジョン内部ではなく、街への移動で1時間近くこの装備で歩くのは憂鬱になるが仕方がない。
すでにダンジョンに入ったと思えばいいんだ。

「よし、じゃあ日が暮れる前に早速出発しよう。」
「えー、もう出発するの?せっかく城下町に来たんだから、城下町散策しようよ。」

結局、城下町を出発したのは、夕暮れだった。




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